2012年6月20日水曜日

雑誌が売れなくなった、その分はどこへいったの?

雑誌が売れなくなっている、とよく言われているけれど
無類の雑誌好きとしては寂しい。
じゃあ、今まで雑誌が満たしていたものはどこにいってしまったんだろう?
ということをたまに考えています。


原点:そもそも雑誌の魅力は何?
私が雑誌好きな第一の理由は、「欲望が詰まってる」ところ。
特に女性ファッション誌の多様さといったらもう、
彼氏にかわいいって言ってほしい、女友達にかっこいいって思われたい、
しっかり仕事できて頼られたい、休日には良い感じに料理なんかも楽しみたい、
美味しいご飯やスイーツが食べたい、でも痩せたい、運動も旅行もインテリアも・・・!
っていう欲張りが、しかもすごく細分化されてる形で
詰まってるのがたまらなく!!!好きです。


さらに、雑誌って欲望を手軽に消費できると思うのです。
見出しの特集や、その雑誌自体が表してる欲望が自分の欲しいものと一致するときって、
その雑誌数百円を買った時点で、ある程度欲望が消化されてるような。
パラパラ読んで、結局残ったものがあるかって言われるとよくわからないけれど、なんとなく満足。
そもそも、「こんな素敵な自分になりたい」っていう欲望を作る装置として
商品だけじゃなくて世界観やらライフスタイルやらで訴求できる雑誌って
高度消費社会の権化みたいな役割を果たしているわけで。
欲望を喚起させて、増幅させて、
そのあと都合よく消費させてくれる。
それが雑誌の魅力かなと思っています。


じゃあ、いままで雑誌が満たしていたものって、
別の何かで満たされているのだろうか?
っていうところで2つ。


代替されたもの1:SNSがあれば読みものページはいらない?
雑誌って、特に服メインじゃない読みものページとかって、
この雑誌を読んでいそうな人たち(=自分がなりたいイメージ)が、
服以外にはどんな生活をしていて、どんな考え方をしていて、
どんな毎日をすごしてどう遊んでいるのか、話題は何か、を
知る手段だったと思うのです。


ところがそれって、SNSで結構できちゃってるんじゃないか。
土日にFacebookを見れば、遊びにいった場所や食べたものの写真がたくさん。
TokyoWalkerなんて読まなくても、面白そうなところたくさん知れる。
もう慣れてしまったけれど、よく考えるとSNSなかったらその情報って得られてなかったかも。
いつのまにか代替されてるのかもしれません。


代替されたもの2:お手軽な欲望の消費、NAVERまとめ
上で書いた「欲望を手軽に消費する」という点で、
すごいなあ、と思っているのがNAVERまとめ。
NAVERまとめの見出しって、本当に人間の興味・関心の欲求が詰まってる感じがする。
(雑誌よりも、多方面かもしれないけれど)


それと、気になったまとめを読むというのはもちろんなんだけど、
気になる見出しをクリックした瞬間が、なんか一番「消費した感」があるのです。
むしろ、クリックした瞬間で、気になる!と思った気持ちの半分は満たされている気がする。
そして何個も記事読んだあと、ふと我に返るとそんなに残ってるものってなかったり。
でもついつい、読んでしまう。
そのへんが、今までのwebサービスの中で一番雑誌に近い感覚かも、と、最近こっそり思っています。